鎌田奈穂 湯浅景子 二人展
2024. 11/23 sat. – 12/1 sun.
11 a.m. – 6 p.m.
初めて ink gallery を訪れた時、
カサカサとした空気と薄く広がる光の中にどこか懐かしさを感じました。
19歳の秋頃、油絵の予備校に通う目白で前を通るたびに気になっていた古道具坂田さん。
ある日、そろりとガラス戸を開き足を踏み入れたことから、
風に吹き飛ばされる勢いで気がついたら師匠の元で沢山のことを教えて頂いていました。
木々に囲まれたお庭に茶室があり、その隣にコンクリートの建物が並び、
窓際から古いものがチャーミングに覗くその場所は、
鎌倉山のこの場所ととても似ていて不思議な感覚でした。
あの頃から20年と少しの時が過ぎましたが、長い時間を経て、
尚美しい佇まいと感じられるものが繋げてくれた人や場所を
これからも大切に仕事をしていきます。
鎌田奈穂
中学の夏休みに発掘調査のボランティアで市内の遺跡をスコップで掘った。
その地面を掘り進めるたび、
古代人の生活に直接触れられるかもしれないとドキドキしたことを覚えている。
石器時代の人が石を削って道具を作り、
縄文時代の人が土を削って文様を描いたように、
私は塗り重ねた色の層をひたすら削ることで、
その下から現れる景色をずっと待っている。
湯浅景子