平澤まりこ展
2023. 11/3 fri. – 11/12 sun.
11 a.m. – 6 p.m.
毎朝の散歩をしているとき、ふと
新しい季節がはじまった、という気がする日がある。
はたまた旅をしているとき
この土地とはなんだか相性が良い気がする、
と思うことがある。
日常のなかで〝そんな気がする〞ということは案外あって
私はけっこうそれを当てにして生きている。
根拠もなければ、目に見えるものでもないから
気のせいと言われればそれまでだけれど、
この内なるレーダーの精度はなかなかだ。
世の人々の暮らしが
がらりと変わったあの頃から
私は作り出すものが変わった。
どうか心平らかに日々を送れますよう、と
小さな祈りのような気持ちで
紙に、土に、向かうようになった。
それがいま必要な気がしたから。
生み出したふくよかな馬や女性たちは
大らかにそこに在り、
そっとこの世界に寄り添ってくれる気がするのだ。
今回は、近年制作している描版画に加え、
陶作家 安藤雅信さんのご協力のもと
陶製の立体作品に挑み、
大好物であるサヴールのバターケーキのための
大皿と小皿も作らせていただいた。
鎌倉山の心地よい秋風とともに
皆さまに愉しんでいただければ幸甚にございます。
平澤まりこ